秋が訪れると、ガーデニングシーズンが終わったように思いがちですが、この時期の庭はまだまだ魅力がいっぱいです。春は比較的寒く、夏は暑かったので、今年のイギリスは、紅葉だけでなく、クロッカスやシクラメンなど、秋咲きの球根のディスプレイも期待されています。そして、秋の庭を彩る実ものは、この季節にしか楽しめない、庭の小さな宝石のような存在。写真は、庭から集めた、今旬の実ものたちです。
ピンクパールのような輝き
Sorbus hupehensis var OBTUSA
ナナカマドは、赤やオレンジの実がよく知られていますが、ピンクの実のなる品種も結構あります。写真は、Hubei Rowan(フーペイローワン)と呼ばれる種類。その他、Sorbus vilmoriniiや Sorbus bissetti ‘Pearls’ も同じく、まるでピンクがかったパールのようなコロコロとした実をつけます。
ターコイズ色のイヤリング
Clerodendrum trichotomum var. fargesii
自然の力でこんなに美しい色が出せるのかと思わせるような、まさにターコイズブルー。香りのある白い星形の花後、ガクがマルーン色の変わり、中央の実が色づくと、まるでイヤリングのような装いになります。和名はアマクサギ。
太陽に映える黄金の実
Malus x zumi ‘Golden Hornet’
イギリスでは、1940年代から出回っている、根強い人気の品種。春の白い花、小さめのグリーンからゴールデンイエローに色づく実が樹全体を覆う姿は見事です。野生動物が好まないので、冬になっても実がなかなか落ちないのも魅力のひとつ。実はジェリーやサイダー作りにも向く。
著者プロフィール
白井法子
ケンブリッジ大学植物園での研修後、夫ともに再び渡英。
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