番外編 from Canada

カナダの西側、バンクーバー島のビクトリアにある、ブッチャートガーデンズを訪れました。この写真を見て、昨年(2017年)の国際バラとガーデニングショウを思い出された方もあるのではないでしょうか?ガーデンデザイナーのマーク・チャップマンさんは、このサンクンガーデンをインスピレーションに「ウェルカムガーデン」を作ったそうです。

ガーデナーに聞く「見せる庭」の管理


10月だというのに、ガーデンの中は色とりどり。イギリスでは、ルドベキアやコクネシアがオーナメンタルグラスと共に咲くシックな季節なので、まるで南半球にでも来たような気分になり、ガーデナーを捕まえて、話を聞いてみました。写真はイタリアンガーデンの花壇に植わったキクたち。

Q: いったい、ガーデナーは何人いるの?
A: 常勤は50人。ハイシーズンは、20人追加の70人です。

Q: オフィス、ティールーム、警備員などのスタッフも合わせると総勢?
A: ハイシーズンは600人以上で、オフシーズンはその半分くらい。

Q: ボランティアは含まれるの?
A: いいえ、すべて有給職員で賄われています。

Q: バラの剪定はいつ?年に何回する?
A: 3月に一度だけです。

Q: 花壇用の植物は鉢上げして、年越しする?
A: ダリアを含む球根以外は、すべてコンポストへ。26コある温室で、主にプラグ苗から、全ての植物を自前で育てています。

これだけで、ガーデンというよりは、テーマパークのような印象が伝わると思います。園内には、メリーゴランド(常設)、アイススケートリンク(冬季)もあって、子供連れにも対応。入場料は約30カナダドル(約2500円)と決して安くはありませんが、いろいろな言語が飛び交い、世界中からこの庭を見に来る人がいるということを実感しました。

夫人の力は偉大

ジェニー・ブッチャート夫人が、夫のロバートさんが所有した石灰岩採石場を再利用しようと、1904年に庭造りに着手したことから、ガーデンに「ブッチャート」という名前が付けられたのは有名な話です。

ガーデン内を歩きながら、今年5月に94歳で亡くなった、故ベス・チャトーさんをふと思い出しました。庭のタイプは全く違うものの、夫のアンドリューさんが所持した果樹園を、情熱を持って庭に変えていったという点が共通しているからです。

ブッチャートの秋の植栽


ビクトリアは、氷点下になる日がほとんどないので、耐寒性の弱い植物も、花壇で長い間楽しめる。


ゴミ箱も上部が植え込めるようになっていて、季節の花が寄せ植えされている。コエビソウ、ユーフォルビア、ロベリア、ネメシアなど。

日本庭園がもてはやされた時代に、横浜出身の岸田伊三郎さん(当時65歳)という造園家がブッチャート夫人により抜擢された。

庭のスタイルに好き嫌いはあるものの、これだけの庭を維持、管理するのは大変なこと。「Plant ID」という植物鑑定をしてくれるカウンターや種の販売コーナーもあり、園芸愛好家もがっかりさせない。

著者プロフィール

白井法子

白井法子さんケンブリッジ大学植物園での研修後、夫ともに再び渡英。
イギリス園芸関係のジャーナリスト、写真家などで構成される、ザ・ガーデン メディア ギルト正会員。『園芸ガイド』で「イギリス・ガーデニングレポート」を連載中。

 

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