チェルシーフラワーショウ2022続報 ゴールドメダル受賞のショウガーデン

ショウガーデンの傾向

今年のチェルシーフラワーショウには39のショウガーデン、80の植物ナーサリーやフローリストなどが出展し、パンデミック前にほぼ戻った感じがしました。地球の温暖化や野生動物を守ることを意識した庭、そして、ウェルビーイング(心と体の健康)など、奥深いメッセージの込められた庭が例年以上に目立ちました。写真は前回のコラムでもご紹介した、The Plant’s Ice Garden =アイスガーデン。

 

ゴールドメダルの庭

チェルシーを何度も経験している大御所デザイナー達によるショウガーデンがメインアベニューに並び、いずれもゴールドメダルを獲得。その中で、チェルシーニューデザイナーチームが初出場でゴールドメダル+ベストインショウ(最優秀賞)という快挙を成し遂げました。ゴールドメダルを受賞した6件のショウガーデンをご紹介しましょう。

 

 
MEDITE SMARTPLY Building the Future
By Sarah Eberle(セーラ・エバール)
数々の賞を受賞しているセーラの庭には、原生植物と外来植物がバランスよく植わる。リサイクルのベニヤ板などを使った構造物も注目された。

 


The RNLI Garden
by Chris Beardshaw(クリス・ビアードショウ)
RNLIとは、Royal National Lifeboat Institutionの略。約200年にも渡って救命ボートで活動する慈善団体の歴史と今日の働きを讃える庭。

 

 
The Mind Garden
By Andy Sturgen(アンディー・スタージェン)
悩んでいる時は人と繋がり、心を開くことが大切だという、慈善団体「ザ マインド」がスポンサーの庭。粘土の壁は人々を自然に近づけるという想いが込められている。

 


The Meta Garden: Growing the Future
by Jo Perkins (ジョー・パーキンス)
フェイスブックがスポンサーの庭。森林の生態系における植物と菌類の密接な関係を意識した庭。木材の美しさと多様性を強調し、地球の温暖化に森林が果たす重要な役割を訴えるデザイン。

 

 
ベストインショウ(最優秀賞)
A Rewilding Britain Landscape 

by Lulu Urquhart & Adam Hunt (ルル ウルクハート & アダム ハント)
在来の重要な種であるビーバーを導入し、リワイルド(最野生化)の風景を再現した庭。英国の南西部が舞台。ビーバーがかじったような枝でせき止められた池や湿地帯の植栽はショウガーデンであることを忘れてしまうほどの完成度。

 

 
The Morris & Co. Garden
By Ruth Willmott(ルース・ウィルモット)
植物を愛したウィリアム・モリスの象徴的な2つのパターン「トレリス」と「ウィローバフ」を取り入れたデザイン。前者は庭のレイアウトに、後者はパビリオンと水路に反映されている。プレスデーにはモデルが庭を歩いてモリスデザインの服を披露。

 

 

著者プロフィール

白井法子 Noriko Shirai

ケンブリッジ大学植物園での研修後、夫ともに再び渡英。
イギリス園芸関係のジャーナリスト、写真家などで構成される、ザ・ガーデン メディア ギルト正会員。雑誌『園芸ガイド2021夏号』にて、「A Life with Plants UK Style イギリス流 植物のある暮らし」を連載中。