毎年、天候によって若干の差はあるものの、だいたい1月の下旬から咲き始め、2月中旬の今頃にピークを迎えるスノードロップ。私が住んでいるイギリス中部では、今週末がスノードロップウィークエンドでした。あいにくみぞれまじりの悪天候だったので写真は以前に撮影したものです・・・。
ヴィクトリアンを魅了した可憐な花
初めてイギリスにスノードロップが紹介されたのがいつかは確実な記録が残っていないようですが、クリミア戦争(1853-1856)の際、イギリス人兵士が戦場に咲くスノードロップを見て、あまりにも綺麗だったので自国に持ち帰り、それがきっかけで19世紀半ばのヴィクトリア朝時代に流行したという話があります。
ガランソファイルとは
ヴィクトリア時代の人たちを熱狂させたスノードロップがここ近年、注目を集めています。以前、園芸ガイドのイギリス・ガーデニングレポートでもご紹介したことがありますが、スノードロップの学名であるGaranthus (=ガランサス)とPhile(=を愛する人)を掛け合わせた造語から、スノードロップにはまっている人々はGranthophile(ガランソファイル)と呼ばれています。
庭に咲く小さな宝石
スノードロップは一足先に咲くキバナセツブンソウと一緒に植えられているのをよく見かけます。イギリス人にとって、春咲き球根、特に早咲きのこの2種は、寒くて長い冬に明るい兆しを与える、冬の庭の小さな宝石のような存在です。
著者プロフィール
白井法子
ケンブリッジ大学植物園での研修後、夫ともに再び渡英。
イギリス
『園芸ガイド』で「イギリス・ガーデニングレポート」を連載中。