一般公開することで庭は守られる

シバー彫刻

イギリスには訪れきれないほどの一般公開されている庭がありますが、どの庭を訪れてもそこには庭を守るための人々の努力が感じられます。先日、こんな看板に出会いました。「1680年代のシバー彫刻。第5代目伯爵夫人によって据えられた国内最古の彫刻も含みます。」
シバー彫刻とは、庭園彫刻を専門にしていた、デンマークの彫刻家、Caius Gabriel Cibber (カイウス・ガブリエル・シバー 1630-1700)の作品。日本の歴史を見てみると、1680年とは徳川綱吉が徳川家の五代将軍となった頃。その頃からの彫刻がずっと原型をとどめていると思うと、長い歴史を感じます。

 

冬の間のプロテクション

 
イギリスの冬は、一般的に寒いだけでなく湿気が多いので、彫刻にとって悪条件。庭園内の彫刻にカバーをかける庭も少なくありません。また、春になったと思っても、イギリスは霜が降りる心配があるので、なかなか油断できません。カバーを取り外しているスタッフに聞くと、顔と手先がいちばん傷みやすいとのこと。
「このカバーをかけたりとったりする作業によって、彫刻に傷つけてしまわないよう、細心の注意が必要だ」とも話してくれました。

 

一般公開することの大切さ

パンデミックでお屋敷を閉めている間に、タペストリーやカーペットが虫に食われてしまったという話も耳にしました。庭も同様、一般公開することで修復や保護するための費用が賄われるので、庭を訪れることは、美しい庭を引き継いでいくことを助けることになります。

 

 

著者プロフィール

白井法子 Noriko Shirai

ケンブリッジ大学植物園での研修後、夫ともに再び渡英。
イギリス園芸関係のジャーナリスト、写真家などで構成される、ザ・ガーデン メディア ギルト正会員。雑誌『園芸ガイド2021春号』でも、「A Life with Plants UK Style イギリス流 植物のある暮らし」を好評連載中。