日本のクリスマスはKFC?
新年あけましておめでとうございます。1月もすでに半ばになりましたが、イギリスではまだ、「クリスマスに何をしたか、何を食べたか」の話題が続いています。
このクリスマスはなぜか、「日本ではクリスマスにKFC(ケンタッキーフライドチキイン)を食べるって本当?」と何人もの人に聞かれました。きっとテレビやラジオでジョークとして紹介されたのだと思います。その度に、確かに「クリスマスはケンタッキー」というコマーシャルはあるけれど…と笑いながらも、お正月には日本が誇れる「おせち料理」という伝統的な食べ物があると必死にアピールしていました!
クリスマスに全力投球
逆に、イギリスではクリスマスに力を使い果たしてしまうので、特にニューイヤーを祝う料理はありません。12月25日に食べる「クリスマスディナー」と呼ばれる食事は、オーブンの中でローストするものがほとんどなので、効率よく、準備や調理をすることが必須。メモ帳にメニューを書いて、順番を考えながら料理する人がほとんどです。
クリスマスディナーのメインディッシュ
メインディッシュには、ターキー(シチメンチョウ)をイメージする人も多いでしょう。大きいので、大勢で食べられるのが利点です。
でも、イギリスの伝統的なクリスマス家庭料理は実はグース(ガチョウ)だったそう。今年のクリスマスは、友人夫婦の家で生まれて初めてグースのローストをご馳走になりました。チキンやターキーに比べ脂肪分が多いのでリッチな食感、そして、野性的な味が強いので、オレンジ、シナモンなどと一緒にローストするとよく合います。このグースのお腹の中にもオレンジが丸ごと入っています。
サブには庭からの恵み
付け合わせには、友人夫婦が庭の畑で育てたジャガイモ、ニンジン、パースニップ。オーブンでローストした後、肉から出る肉汁を使ったグレービーソースの中に入れてさっと煮込みます。レッドオニオンとオレンジは丸ごと、タイムも香りづけに。
欠かせない一品
小さめのカクテル・ソーセージ、またはチポラータという、細めのものをベーコンで包んだ「Pigs in a blanket / Pigs in blankets (毛布にくるまったブタという意味)」はイギリス人にとって、クリスマスの前菜になくてはならない一品です。
2022年も園芸はもちろん、食や文化も含めたイギリスを感じる新鮮な情報をお伝えできればと思っています。
著者プロフィール
白井法子 Noriko Shirai
ケンブリッジ大学植物園での研修後、夫ともに再び渡英。
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