2021年1月31日に完全離脱
イギリスにも寒波が訪れ、雪景色が続いています。
今年になって現実味を帯びてきたのがブレグジット(イギリスの欧州連合離脱)後の園芸界への影響。
身近なところでは、オランダから輸入する苗が遅れているという話を聞きました。ブレグジット前はヨーロッパとイギリスの間で自由貿易が許されていたので、植物はボーダーレスで入ってきていましたが、ブレグジット後は、免除はあるものの一応「輸入」になります。
イギリス=イングランドではない
イギリスに住むまでは、イギリスが連邦国であるという意識はあまりありませんでしたが、実際、イギリスという国は4つの国(イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランド)で構成されています。
ただ、北アイルランドは、EUであるアイルランドと隣接しているため、イギリスとEUとの離脱協定では、離脱後もEUの関税ルールが適用されることになっています。
つまり、ややこしいのですが、本土(グレートブリテン島)から北アイルランドにモノ(課税対象)を移動するときには、税関手続きが必要になるようです。
写真:https://phescreening.blog.gov.uk/2017/02/09/new-uk-wide-public-information-group-getting-to-work/
今、いちばん影響を受けているのは北アイルランド
園芸業界も例外ではありません。
北アイルランドから本土にある会社に植物を注文しても、「取り扱いできません」という対応で、「ブレグジット前までは毎年大量に注文していたのになぜ!」と、嘆く声も耳にします。
ハニーサックルなどの一般的な植物でさえ、税関が必要になっているそうで、書類申告にかかる費用によって、値段は最終的に15-20%上がる可能性もあると言われています。
著者プロフィール
白井法子 Noriko Shirai
ケンブリッジ大学植物園での研修後、夫ともに再び渡英。
イギリス