イギリスをモダン化したデザイナー
British designer Terence Conran: ‘I felt intensely depressed by how awful people’s homes were’
「人々の家があまりにもひどいことに猛烈に落ち込んだ」
テレンス・コンラン
学生時代、下宿をしていた故テレンス・コンラン氏、当時を回想したインタビューでの名セリフです。
「ザ・コンランショップ」などで知られる、世界的なイギリス人デザイナーのコンラン氏が、2020年9月12日に享年88歳で亡くなりました。
「グッドデザインをみんなのために」と優れたデザインの民主化を目指し、イギリスの生活をモダン化。
ホテルはもちろん、レストランやカフェのインテリアを一変させたため、イギリスのメインストリートの外観もコンラン氏によって大きく変化したと言われています。
このセンスアップは、「イギリスの料理はまずい」と言われていたレッテルを覆したことにも貢献した、と言われるほど。
トップの写真は、15年前の2005年にコンラン氏がチェルシーフラワーショウに出展した時のもの。
プレスデーで、平和を象徴する白いハトを離しているところです。
チェルシーフラワーショウ2005
第二次世界大戦終戦の60周年を記念して、コンラン氏がインペリアルウォーミュージアム(帝国戦争博物館)と提携して出展した「ピースガーデン」。
庭のシンボルのダブコート(ハト小屋)、白が貴重の植栽、そして、モダンな赤いガーデンチェアーが印象的でした。
白いバラは、この庭のために特別に作られた、Rosa ‘Remember’(バラ‘リメンバー’)。
コンラン氏は、スノードロップを気にせずに庭で芝刈り機を使った息子の一人に「彼らの鳴き声が聞こえないのか?」と激怒し、「自分は花を深く愛している」と言ったことがあるそうです。
平和の壁
水が流れ出る壁には「平和」という意味の言葉が様々な言語で彫りこんでありました。
当時、夫が働いていた造園会社がコンラン氏の庭の施工を担当したことから、今回の写真が出てきました。
20世紀の偉大なデザイナーに追悼の意と敬意を込めて。
著者プロフィール
白井法子 Noriko Shirai
ケンブリッジ大学植物園での研修後、夫ともに再び渡英。
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