ニゲラ〜Love or Devil

 

イギリスの飲食店、営業再開

7月4日、まるでアメリカの独立記念日のように、イギリスの都市はもちろん、町や村にも活気が戻ってきました。
というのは、3月からテイクアウェイを除いては、営業の停止を余儀なくされていたレストランやパブ、カフェが再開したからです。
2mの社会的距離を守ったままだと赤字になってしまうことから、飲食店では1mでOKという新しいルールが設定されました。
経営者は、あらゆる場所を定期的に除菌し、支払いは現金ではなく、カードを奨励するなど、Covid-19(新型コロナウィルス)の新たな感染防止に全力を尽くしています。
一般公開している庭も、付属のティールームやカフェのオープンにより、リラックスした雰囲気が戻ってきました。
さて、今回は植物の話、週末に訪れた庭で印象的だったニゲラについてです。

名前の由来

 
風にそよぐパステル系の花と糸のような葉。
花が咲いている姿は、英名「Love – in – a – Mist」(霧に包まれた愛/霧の中の恋)という名前がぴったりだなーといつも思います。
「Devil – in – a – Bush(茂みの中の悪魔)」という別名は、咲き終わった後のタネさやから来ているそうです。
学名はNigella damascene(ナイジェラ・ダマスケナ)。
Nigellaはラテン語のNiger(ナイガー=黒い)から、タネが黒いことにちなんでつけられました。
仕立てたバラの足元でもよく育ちます。
ガーデナーによると、タネさやを手で揉んで、空いているところに蒔くと、バランスよく咲くそうです。
もちろん、こぼれタネでも大丈夫。

 

お料理にも

古代エジプトで育てられていたのは、ダマスケナではなく、Nigella sativia (ニゲラ・サティヴァ)。
こちらは、厳密にはニオイクロタネソウと言われ、万病に効く薬として重んじられていました。
花は小さめの白、またはペールブルー。
ダマスケナのような花のバリエーションはありませんが、黒いタネに独特の香りがあって、ナンブレッドやカレー、スープに入れて香りを楽しみます。
写真参照:https://realfood.tesco.com/recipes/nigella-seed-naans.html

 

著者プロフィール

白井法子 Noriko Shirai

白井法子さんケンブリッジ大学植物園での研修後、夫ともに再び渡英。
イギリス園芸関係のジャーナリスト、写真家などで構成される、ザ・ガーデン メディア ギルト正会員。『園芸ガイド』で「イギリス・ガーデニングレポート」を連載中。