植物の力

「今や欧州が新型コロナのパンデミック(世界的大流行)の中心地だ」と言われ、感染が拡大しているヨーロッパ。ニュースの中で、「ヒースロー空港が大型駐機場になっている」というコメントがありました。一時的に解雇されるスタッフや長期休暇を指示されるスタッフなど、航空会社には多大なる影響が出ています。その一方で、飛行機が地球に与えるダメージを考えると、これを機に、世界的に飛行を減らすことを考えるべきだという声もあります。また、そんな中、こんな時こそ、ガーデニングを通して、自然と触れ合おうという動きもあります。春らしくなってきた気候も手伝って、一般公開している庭を訪れる人々も少なくはないようです。また、植物をインターネット購入するメールオーダーのビジネスは、この新型コロナウィルスに影響を受けていないという記事もありました。

写真:https://allthatsinteresting.com/plague-doctors「ペスト医師」

新型コロナウィルスに関して、色々な話題が上がる中で、中世から近世に大流行した「ペスト(黒死病)」が引き合いに出されることがよくあります。ペストは、中世から近世という広い時代範囲の中で、ヨーロッパ全土で被害が見られたため、一定のイメージを持てませんが、「ペスト医師」と呼ばれる、患者の治療に当たった人々の姿がユニークだったといいます。中でも、鳥のくちばしのような円錐形のマスクはその特徴の一つ。その筒の中に何が入っていたのでしょう…ミントなどの香りの強いハーブやバラの花びら、(テキーラの原料になる)リュウゼツランやシナモン、没薬(もつやく:植物の樹脂)など、その数は55種類にものぼったとか。くちばしにし込んだハーブの香りを吸うことで、解毒できると信じられていたそうです。

いつの時代も、人々は植物に期待しているように感じます。

著者プロフィール

白井法子

白井法子さんケンブリッジ大学植物園での研修後、夫ともに再び渡英。
イギリス園芸関係のジャーナリスト、写真家などで構成される、ザ・ガーデン メディア ギルト正会員。『園芸ガイド』で「イギリス・ガーデニングレポート」を連載中。