チオノドクサとガーゴイル

新型コロナウィルスの感染拡大が心配されている不安な世の中ですが、気候は春らしくなり、チオノドクサやスイセンが咲き始めました。

イギリスの感染者は、今のところ、他の国に比べて少ないものの、隣国のイタリアの集団感染や封鎖措置の様子などが報道されて以来、イタリアに研修旅行に行った学校が休校になるなど、徐々に危機感が高まってきました。日本と同様に除菌ウェットティッシュ、除菌ハンドジェルなどの入手が困難です。1日も早く事態が沈静化することを心から願っています。

チャーチヤードに広がる青花

チオノドクサは、「過小評価されている」と言われるほど、目立たないながらもイギリス人に愛されている春を告げる球根の一つ。チャーチヤード(教会堂に隣接する庭)に広がる星型のスカイブルー花は爽やかで、イギリスでは、Glory of the Snow(雪の栄光)と呼ばれています。

14世紀に建てられたこの教会は、「デコレーテッド ゴシック」呼ばれる建築スタイル。エントランスの突起状の装飾は、Gargoyle(ガーゴイル)と呼ばれる、怪物などをかたどった雨樋機能を持つ彫刻です。これを模した、ガーデンオーナメントには、ガーゴイルだけでなく、Griffins(グリフィン:ギリシャ神話に出てくるワシの頭と翼を持ち胴体がライオンの怪物)やGrotesques(グロテスク:動物と人間の組み合わせの、ちょっと奇妙な生き物)があります。古代から、その建物や結婚の尊厳を守る意味で、教会などの装飾に使われてきましたが、この文化は今も継承されていて、魔除けとして庭や玄関先にこの類のガーデンオーナメントを置いている家庭を今でもよく見かけます。

著者プロフィール

白井法子

白井法子さんケンブリッジ大学植物園での研修後、夫ともに再び渡英。
イギリス園芸関係のジャーナリスト、写真家などで構成される、ザ・ガーデン メディア ギルト正会員。『園芸ガイド』で「イギリス・ガーデニングレポート」を連載中。