庭と図書館さえあれば…

先日、街を歩いていて、図書館の玄関先で目に留まったプランター。グレーのスレート石にこう書かれていました。

IF YOU HAVE A GARDEN AND A LIBRARY,
YOU HAVE EVERYTHING YOU NEED

庭と図書館さえあれば、必要なものは全て手に入ります。
(人生に必要なものは他にない)

初めて出会った格言だったので、自宅に戻り調べてみると、これは、Marcus Tullius Cicero(マルクス・トゥッリウス・キケロ:AD 106 — AD 43)という、紀元前のローマ時代に生きた、政治家、哲学者、文筆家の言葉でした。

携帯電話があれば、どんな情報も入手できる今の時代に、考えさせられる一文でした。本が大切な情報源だった当時、庭は花だけでなく、野菜や果物など、人生に必要なものを提供してくれる場所だったのでしょう。そんな意味で、私は「人生に必要なものは他にない」と意訳したくなりました。写真は、シルバーの大胆な葉の美しい、Senecio candicans ‘Angel Wings’ (セネシオ‘エンジェル ウィングス’)。


全体の植栽はこんな感じ。年間を通して楽しめるように、常緑の葉ものが集めてありました。上記のセネシオを中心に、ローズマリー、シキミア、斑入りヒイラギ、クリスマスローズ。図書館にふさわしい、落ち着いた、センスのいい寄せ植えだと思いました。

著者プロフィール

白井法子

白井法子さんケンブリッジ大学植物園での研修後、夫ともに再び渡英。
イギリス園芸関係のジャーナリスト、写真家などで構成される、ザ・ガーデン メディア ギルト正会員。『園芸ガイド』で「イギリス・ガーデニングレポート」を連載中。