クロッカスローン

まだまだ、雨と風の混じりあった天気が続くイギリスですが、晴れ間も見られるようになってきました。日も長くなり、ガーデナーたちは、来シーズンに向けて動き出している感があります。スノードロップに続いて、春を感じさせてくれるのはクロッカス。鉢やボーダーで育てる人もいますが、一番イギリスらしいのは、芝生の中から顔を出す姿。Crocus Lawn(クロッカスローン)と呼ばれています。

ナチュラライジング

クロッカスはイギリスに自生しているわけではありませんが、できるだけ自然に見えるようにランダムに植えるNaturalising (ナチュラライジング)と言う手法が人気です。スノードロップは日陰を好みますが、クロッカスは太陽に照らされると、花をめいいっぱい開き、インパクトが最大に出るので、できるだけ日なたを選びます。芝生は冬になり、湿り気が多くなる前の晩秋に短く刈っておくのが秘訣。

自然に見える品種を


もっともナチュラライジングに向くと言われる品種は、薄いフジ色で早咲きのCrocus tommasinianus (クロッカス・トムマシニアヌス)。自然播種なので、どんどん増える上、オープンフォーム(花びらがしっかりと開く)なので、ハチなどのポリネーター(送粉者)にも優しい。クロッカスには様々な園芸種がありますが、芝生の中では、あまり大きな花は目立ちすぎるため、ナチュラライジングする場合は、比較的小さめの花がオススメ。花後は、できるだけ花柄を摘み、他の球根と同じように、6週間は葉を刈り込まないようにすることで、翌年のためのエネルギーが球根に蓄えられます。

著者プロフィール

白井法子

白井法子さんケンブリッジ大学植物園での研修後、夫ともに再び渡英。
イギリス園芸関係のジャーナリスト、写真家などで構成される、ザ・ガーデン メディア ギルト正会員。『園芸ガイド』で「イギリス・ガーデニングレポート」を連載中。