1月31日(金)、イギリスは、歴史的に新たな1ページを刻みました。ロンドンにある首相官邸の壁に映し出されたカウントダウンの時計は、23時を迎えると共にビッグベンが現れ(写真)、イギリスは47年間もの間、加盟していたEUを正式に離脱しました。離脱のキャンペーンのスローガンであった、「Take Control Back(実権を取り戻そう)」という言葉通りを、国民は政府に期待しています。
園芸界に与える影響は?
イギリス国内の植物の生産や国内の取り引きが活発化するきっかけになると見られています。また、ブレグジットによって、季節労働者が減る可能性も指摘されていて、次世代の育成(農業も含め、園芸に携わる若者を増やす)も大切だと言われています。
今週末、近くの子供向けファーム(農場)で、ヘビーマシーナリーウィークエンドと呼ばれる、農業重機のイベントが行われました。1台で家が買えてしまうほど高価なトラクターから最新鋭のコンバインなどが勢ぞろい。子供連れの家族で賑わいました。
来年の今頃は…
イギリスにとって、ファーミング(農業)は、とても重要な産業です。ブレグジットの移行期間は今年の12月31日までありますが、その後は、イギリスが世界最大級の自由貿易圏から外れるという可能性は大いにあります。農産品の輸出に関税が課され、検疫が行われるようになると、イギリス国内の生活に大いに影響が出てくるでしょう。ブレグジット直後に行われたこのイベントに参加し、イギリスの農家の将来を考えざるを得ませんでした。
著者プロフィール
白井法子
ケンブリッジ大学植物園での研修後、夫ともに再び渡英。
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