ガーデナー達にとって、冬の庭の楽しみは植物だけではありません。ガーデンバード(庭にやってくる鳥たち)に餌をやり、観察することも1日の大切な庭仕事のひとつ。前回のブログは、「ハリネズミ愛」について書きましたが、動物愛護精神の強いイギリス人は、冬の間は特に「自分たちが面倒をみなくては」という思いで、出費も惜しまずにワイルドライフ(野生動物や野鳥)に餌をやります。今週末は、RSPB(Royal Society for the Protection of Birds = 英国鳥類保護協会)が主催する、The Big Garden Bird Watch Weekend (ビッグ ガーデン バードウォッチ ウィークエンド)という、国を挙げてのキャンペーンが行われました。写真は、「ガーデナーズフレンド」とも呼ばれるロビン。
キャンペーンの意義
このバードウォッチは、一般の人々誰もが参加でき、1時間という決められた時間の中で観察を行い、自分の庭や公園にやってくる野鳥の数をRSPBに提出するという仕組みです。ただ通りすぎた鳥は数に入れず、庭に飛び降りた野鳥の数だけを数えることになっています。イギリス国内のみが対象なので、この統計によって、国内に何の鳥がどれくらい生息するか、または、数の減っている野鳥を助けようという保護にもつながり、貴重なデータになるというわけです。写真はキャンペーンの入力フォーム。
ワイルドライフを守る
このキャンペーンは40年以上も行われていて、今では50万人以上が参加すると言われています。ガーデナー達は、庭を美しく保つことが地域の景観を高めるという思いだけでなく、自分の庭にワイルドライフをたくさん呼ぶことで、地球環境の保護に貢献したいと本気で思っています。これも、イギリスのガーデニングのレベルの高さなのでしょう。
著者プロフィール
白井法子
ケンブリッジ大学植物園での研修後、夫ともに再び渡英。
イギリス