世界に誇る日本の文化〜オオギク

外国に住んでいるからか、日本を代表する園芸植物とも言える「大菊」を見ると、妙に懐かしく、そこに宿る魂のようなものさえ感じます。この菊づくりの技術はもちろん、それを披露し、競う場所があるのは、日本が世界に誇れる文化の一つだと思います。日本に帰省中、縁あって、関東最古の神社と言われる、茨城県下妻市の大宝八幡宮(だいほうはちまんぐう)を訪れました。ちょうど、下妻市菊花会が主催しているという「菊花展」が始まったところでした。

丹精込めて育てられたキク


花形を整えるための「輪台」と呼ばれる支柱を取り付けるのは、通常だと10月の上旬、蕾に色がのってきた頃。その前に、一番良い蕾だけを残して、「首づけ」と呼ばれる、支柱に結びつける作業があるそう。


コンテストに出展していた「越山」という品種。調べてみると、江戸時代から栽培されていたとのこと。江戸時代の菊ブームは、品種改良が盛んだったことが背景にあるようです。


こちらの写真は、新宿御苑で撮影したもの。186輪の大作り「兼六雪峰」が門前を見事に飾っていました。個々の花だけでなく、枝や葉も均一であることがこの作り方の一番大切なことだと知り、菊づくりの奥の深さを実感。

イギリスでのキクの楽しみ方は切り花が主流でしたが、近年は大鉢に植わった、こんもりとした鉢植えが広く出回るようになりました。一般公開している庭はもちろん、家庭の玄関先を飾っている姿も時々見かけます。

著者プロフィール

白井法子

白井法子さんケンブリッジ大学植物園での研修後、夫ともに再び渡英。
イギリス園芸関係のジャーナリスト、写真家などで構成される、ザ・ガーデン メディア ギルト正会員。『園芸ガイド』で「イギリス・ガーデニングレポート」を連載中。