スパイス・スーマック

ロンドンでモロッコ料理を食べた時に、トッピングに使われていたスパイス。梅干しのような酸味のきいた何となく懐かしい味、そう、色も味も「ゆかり」のふりかけに似ているのです。ウェイターに「このスパイスは何?」と聞くと、「Sumac(スーマック)だよ」と教えてくれました。スーマックとは、ウルシ科ヌルデ族の植物の総称で、日本では、樹脂を塗料として使う、漆の木もその仲間です。スパイスとして使われるのは、スーマック・シーバガイン(Toxicodendron / Rhus coriaria)と呼ばれる種類だそう。

スーマックの花


花後になる赤い実はまるでベルベットのようで、その実を乾燥させ、粉末にしてスパイスにします。キュウリの上にシンプルにかけたり、お肉やお魚の味付けに使ったり。レモンのような柑橘系の味は何にでも合う!また、実を数時間水につけて、水出しのスーマックティーを作る人もいます。高い抗酸化作用があるので、スーパーフードと呼ばれることも。
写真は以下より。
https://en.wikipedia.org/wiki/Rhus_typhina

 

スタグホーン・スーマック

Toxicodendron / Rhus typhina(ラス・チフィナ)と呼ばれる種類は食用で、観賞用としても育てられています。ただ、sucker(サッカー)と呼ばれる、主に植物の根元・地下茎から生えだす枝がやっかいにあるので、コントロールするには、冬の間にサッカーを取り除くことが必要です。

オータムカラー


この時期に目に留まるは、何と言っても美しい紅葉。アカ、キイロ、オレンジのグラデーションの美しい葉が垂れ下がる姿は、観賞価値も十分です。

※スーマックの中には、Toxicodendron / Rhus vernix,などの毒性の強い品種もあるので、扱いには注意が必要です。

著者プロフィール

白井法子

白井法子さんケンブリッジ大学植物園での研修後、夫ともに再び渡英。
イギリス園芸関係のジャーナリスト、写真家などで構成される、ザ・ガーデン メディア ギルト正会員。『園芸ガイド』で「イギリス・ガーデニングレポート」を連載中。