ヴィクトリアン ガーデン(ウォデスドン・マナー)

イギリスの産業革命(18世紀中頃から19世紀)によって、ブルジョアと呼ばれる中産階級の人々が自分たちの庭に力を入れるようになると、自然な景色を重視した風景式庭園から、鮮やかな色彩の草花があふれる‘派手な’庭がもてはやされるようになりました。このスタイルは、ヴィクトリアンガーデンと呼ばれ、幾何学模様の花壇などがその例です。この写真に写っている、Waddesdon Manor(ウォデスドン・マナー)は、その代表的な庭の一つ。今でもその時代のスタイルを大切にしています。15年の歳月をかけて造られた邸宅と庭、完成したのは1889年でした。当時は、60人以上のガーデナーが従事していたと言われています。敷地を歩いていると、植栽から、ヴィクトリア時代の人々の様子が目に浮かぶようでした。

 

ハウスプランツの利用


ヤシやバナナなどのエキゾチックな観葉植物の周りに鮮やかな花を敷き詰めるのもヴィクトリアンガーデンの特徴のひとつ。

3Dバード


植物を立体的に魅せる方法も、ここでは100年以上続けられています。例えば、この3Dバード。1910年に撮影された写真にも同じような鳥が写っていましたが、モダンなオブジェ(カボチャ)を一緒に飾ることでモダン化されています。多肉植物やグラス、アルテルナンテラなど、およそ2500株が植え込まれ、鳥の体内には、潅水装置も設置されています。

コンテナーガーデン


アロカシアやパープルファウンテングラスなど、カラーリーフのフォルムと質感を考えた大胆な組み合わせ。

著者プロフィール

白井法子

白井法子さんケンブリッジ大学植物園での研修後、夫ともに再び渡英。
イギリス園芸関係のジャーナリスト、写真家などで構成される、ザ・ガーデン メディア ギルト正会員。『園芸ガイド』で「イギリス・ガーデニングレポート」を連載中。