この時期になると、突然、赤く染まったフィールドが現れます。ポピーは、第一次世界大戦後、戦場に咲いたことから、「戦死者を追悼する象徴」として愛され、その真っ赤なポピーのカーペットはイギリスらしい光景のひとつです。
ワイルド・ナチュラル志向のガーデニングがもてはやされる今、庭でポピーを育てている人が増えていると感じます。写真は、ガーデニング番組のプレゼンターの庭で撮影。テントウムシのようなポピー
テントウムシのようなポピー
赤い花びらに黒い斑点の入る、まるでテントウムシのようなポピー (‘Papaver commutatum ‘Ladybird’) 。レイディーバード=テントウムシという名前が付いています。直播きできて、こぼれ種で増えるので、手間がかからず、ミツバチも好むのでワイルドライフを支持する人にもぴったりです。
日本では‘植えてはいけない’ケシ
オピウムポピーと呼ばれる、アヘンの原料として栽培される系統であることから、アツミゲシ (Papaver setigerum) と呼ばれるこの品種も日本では栽培が禁止されています。オピウムポピーに比べて、葉がコンパクトですが、葉が茎を抱えるようについているケシは、‘植えてはいけない品種’に入ります。
ポピー in ボーダー
ルピナスやサルビア、またオーナメンタルグラスとの相性も抜群。排水のいい土壌を好むので、グラベル(砂利)を使った庭でも重宝されます。
著者プロフィール
白井法子
ケンブリッジ大学植物園での研修後、夫ともに再び渡英。
イギリス