ショウ期間中の「火曜日」は、デザイナーにとってはもちろん、プロジェクトに関わった全員が最も緊張する日。朝一番で審査結果が発表されるため、関係者は庭に待機し、RHSのショウマネージャーがやって来るのを持ちます。今年のショウは、大きなサイズのショウガーデン部門、スペース・トゥ・グロウ部門、アーティザンガーデン部門の3つに分かれ、それぞれに金、準金、銀、銅のメダルが授与され、各部門のベストが発表されました。速報をお届けします。
写真は、チェルシー病院の前の広場にディスプレイされた「D-Day 75 Garden」。
第2次世界大戦中、ノルマンディー侵攻作戦の端緒を開いた上陸作戦の75周年を記念した庭。
植栽は、10,000株のピンクとシロのArmeria maritima(アルメリア)のカーペット。
ショウガーデン部門
The M&G Garden
デザイナー:Andy Sturgeon アンディー・スタージョン
コントラクター:Crocus クロッカス
スポンサー:M&G Investments M&G インベストメンツ
才能はもちろん、ソフトな人当たりで、チェルシー人気デザイナーの一人。自分がガーデナー/ガーデンデザイナーになる道を選ぶきっかけになったという、幼少時代を過ごした森林地帯を再現したデザイン。炭化させた黒い木のパネルは、植物の花姿はもちろん、葉一枚一枚も美しく見せる彫刻的な働きをする。
スペース・トゥ・グロウ部門
Facebook: Beyond The Screen
デザイナー:Joe Perkins ジョー・パーキンス
コントラクター:The Outdoor Room ザ・アウトドアルーム
スポンサー:Facebook フェイスブック
現代人の生活の一部と化しているソーシャルメディア。イギリス国内では、150万人がフェイスブックを使ってガーデニングのアドバイスを求めているとか。同じような環境に住む人々がフェイスブックを使って、お互いに助け合うなど、スマートフォン世代がテクノロジー使って、どのように実生活に積極的な影響を与えることができるかというという、まさに現代を象徴する庭。
アーティザンガーデン部門
Family Monsters Garden
デザイナー:Alistair Bayford アリスター・ベイフォード
コントラクター:Idverde イドヴァーデ
スポンサー:Idverde / Family Action
経済的な問題を抱えるファミリー、一緒に過ごす時間が取れないファミリーなど、家族には問題がつきもの…そんな家族が心を開いて話し合える場として、「庭」を提案。植物もイギリスに自生するもの、海外由来のものを混栽させ、家族にはいろいろな形があるということを表現している。
チェルシーフラワーショウの魅力の一つは、庭に込められたメッセージ。コンセプトにあった庭を出来上がっているかも、審査の大きなポイントです。
前回のブログで紹介した、日本からの出展者、石原和幸さんのグリーンスウィッチ、そして、柏倉一統さんと佐藤未季さんの漢方の庭は、どちらも金メダルを獲得しています。https://engei.com/other/4019/
著者プロフィール
白井法子
ケンブリッジ大学植物園での研修後、夫ともに再び渡英。
イギリス