写真はどれも、この1週間以内に撮影したものです。この時期になるといつも思うのですが、イギリスが美しい国だと言われる理由の一つに、これらのつる性植物の貢献があると。つる性植物を植えることで玄関先が華やかになり、家の印象が変わるのはもちろん、小さめの庭でも、壁に這わせることで植栽面積を一気に増やすことができます。
ムラサキのフジは、仕立て方次第で、家の全体を覆うまでに生長します。
気になる壁へのダメージ
「こんなに植物を這わせて壁は大丈夫なの?」と心配される方もあるでしょう。ダメと言われる代表的な植物はやはりアイビー。Sucker(サッカー=吸枝)と呼ばれる、主に根元や地下茎から生え出す枝がレンガの水分を吸い取り、塗装やペブルダッシュ(建物の外壁などにしっくいやセメントを塗り、その上に細かく砕いた石を乗せたもの)の間に入り込んでいきます。でも、環境に合った植物を選べば、問題ありません。
イギリスで好んで植えられるActinidia kolomicta(ミヤママタタビ)。日本では、山中に自生しているものが想像されるかもしれません。ペンキか絵の具がかかったような葉の白い部分が初夏にはピンクに色づくので、まるで花が咲いているみたい。
定番のモンタナ
太陽の光を受けると、より甘い香りを漂わせますが、北向きの壁でも十分な花を咲かせてくれます。花色はピンクと白のみですが、品種によって、ピンクの濃淡が様々。手のかからないモンタナは、どこでも育つガーデナーの味方です。
著者プロフィール
白井法子
ケンブリッジ大学植物園での研修後、夫ともに再び渡英。
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