©Michael Zimmermann
星の数ほどある植物の中で、いつどこで見かけても思わず目が引かれるのがDierama(ディエラマ)。英名はエンジェルズ・フィッシング・ロッドで、「天使の釣ざお」と言う意味です。その名の通り、グラスのように細い葉から伸びる、まるで釣りざおのようなしなる花茎の先に、ベル状の花をたくさん咲かせます。誰が命名したのか、花姿に何ともぴったりのネーミングです。
©Michael Zimmermann
フォーカルポイントに
シシングハーストやグレートディクスター、ベス・チャトーガーデンズなどの名の知れたガーデンでも見かけましたが、これまで私が見た中で一番見事だったのは、友人宅の庭に咲くディエラマ。キフツゲートガーデンで苗を購入したという友人夫婦は、ちょうどキッチンの窓から見えるところに植えています。風に音を立ててそよぐ姿は本当に美しいのです。プラントサポートから放射状に伸びる姿はまさに庭のフォーカルポイント(シシングハーストキャッスルガーデンで撮影)。
花が終わっても美しい
何となく育てるのが難しいという印象ですが、友人宅では、コンクリートの敷石の間から自生して増えるほど発育旺盛!原産は南アフリカなので、日当たりのいい乾燥した土壌を好みます(イギリスでも鉢で育てるのは難しいという話をよく耳にします)。花後も連なったガクがシルバーのイヤリングのように垂れ下がり、とても鑑賞価値の高い植物です。
著者プロフィール
白井法子
ケンブリッジ大学植物園での研修後、夫ともに再び渡英。
イギリス