イギリスでオープンガーデンしている個人庭の公開日時や地図、見どころが記載されているガイドブックが、「イエローブック」。NGS(ナショナル・ガーデン・スキーム)という団体がチャリティーの一環として、個人の庭を一般公開し、その入場料と飲み物やケーキの代金を寄付していますが、このNGSが発行する黄色いガイドブックをイエローブックと呼んでいます。NGSの傘下で庭をオープンするには厳しい審査を通過しなくてはならないので、イエローブックに掲載されることはガーデナーとしてとても誇り高きことなのです。
The Old Vicarage Garden at Burley
チェルシーフラワーショウの影響でレポートするのが、ちょっと遅れてしまいましたが、5月の下旬に訪れたオープンガーデンがとても見応えがありました。個人庭とは思えないほどの仕上がりで手入れも十分行き届いています。
この日のために咲いているような白いフジのスタンダードに、訪れる人々がため息をついていました。この庭をぜひ取材したいと思い、オーナーのサンドラさんと個人的にお話しする機会がありました。オープンガーデン当日は、自ら植物の販売も手がける本格派。イギリスにはたくさんの一般公開されている庭がありますが、プライベートガーデンを訪れると、オーナーがその庭にかける思いが身近に伝わってきます。
「ライムウォーク」はこの庭の中で一番フォーマルな場所。ポラード仕立て(樹木や低木を強めに剪定する方法)による大きな葉が存在感抜群です。
「BBQテラス」には、柑橘類やブドウ、バラ、クレマチス、ハニーサックルが適材適所に植わっていて、地中海の雰囲気漂います。サンドラさんの庭は6月下旬にもう一度オープンされます。次回はバラの美しい季節でオープンは夕方から。
この庭の中で一番新しい、オーナメンタルキッチンガーデンはレンガの壁に囲まれ、果樹、野菜やハーブが「カッコよく」植えられ、参考になるアイデアいっぱい。その様子はいずれ、園芸ガイドのイギリス・ガーデニングレポートで詳しくご紹介できたらと思っています。
著者プロフィール
白井法子
ケンブリッジ大学植物園での研修後、夫ともに再び渡英。
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