こよなく愛するオールドローズの話

Pompon Blanc Parfait

 

2019年5月のバラの撮影も順調です

今年もようやく5月になって、バラや庭の撮影の仕事が多い僕は、毎日朝早くから夕方日が暮れるまで忙しく走り回っています。
今年は4月から5月初めまでが低温でバラの開花も心配だったのですが、ふたを開けてみたらどこのバラ園も例年通り。
つぼみの時期が暑くなかったため、花もきれいで撮影も順調に進んでいます。
ということで、今月はバラ、僕が大好きなオールドローズのお話です。

 

オールドローズについて語り始めると……

僕がバラの撮影をするようになってもう25年くらいになります。
はじめのうちはわけもわからず、いろいろなバラを撮っていました。
だんだん自分の好みがわかるようになり、この10年くらいは仕事以外の撮影はオールドローズばかりです。
最近は「バラの写真の撮り方」のような講座の仕事も増えてきましたが、受講者の方に見てもらうスライドのバラもオールドローズ。

先日は岐阜県の花フェスタ記念公園で講座のあと、実際にバラ園の中を受講者の方とまわりながら咲いている花の写真を撮ると言う企画だったのですが、そこでもコースはオールドローズの咲いているエリアが中心でした。

最後は花フェスタ記念公園の中で僕がいちばん好きな「ジョセフィーヌの庭」に皆さんをご案内し、「ジョセフィーヌはナポレオンのお妃で、彼女がマルメゾン宮殿でバラの収集をしていなかったら今のバラの世界は存在していないんですよ」とか、‘マダム アルディ’というバラの前では「アルディはマルメゾンのバラ園のガーデナーで、ある日自分で育種した美しい白いバラをジョセフィーヌに見せたら、彼女がとても気に入ってこのバラの名前はあなたの奥様の名前にしなさいと言ったため、‘マダム アルディ’になりました」などなど、蘊蓄(うんちく)まで披露する始末です。

 

5月終盤以降は北のオールドローズに会いに

バラのシーズンもちょうど半分が過ぎて、これからは新潟県長岡の越後丘陵公園「香りのばら園」、那須高原のコピスガーデン(ここはフレンチローズ中心ですが)、最後は北海道のいわみざわ公園バラ園までバラの撮影は続きます。
どのバラ園でどんな表情のオールドローズに会えるのか今から楽しみです。

 


Trimphe de Flore
ちょっとオールドローズに詳しい人なら「あれ? このバラは‘デュセス ドゥ モンテベロー’じゃないの?」と言うと思います。ここがオールドローズの魅力のひとつ、似たバラなのか、同じバラが流通の関係で名前が変わってしまったのか……。200年以上前のことで本当のことは今となってはだれにもわからないのです。ただこの花が美しく人々に愛され続けてきたからこそ、今も僕たちはこのバラを見ることができるのです。

 

Panachee de Lyon
濃いピンクの花に一部の花弁に濃い紫色が入る美しいポートランドローズ。このように絞りが入ることをパナシェと呼びます。でも実際にはこのように美しく絞りがどの花にも入るわけではないのです。絞りの入っていない花を‘パナシェ デ リオン’と呼ぶのは間違いなのかもしれませんね。

 


Chloris
この花の美しさはオールドローズ好きの人ならまず異存はないと思います。1817年作出、作者Descemet。花の作出年と作者を覚えると、オールドローズの魅力がさらに広がります。

 

Mme.Moreau
小さくてかわいらしいモスローズです。モスとはコケのこと。つぼみにコケが生えたようになるのが特徴で、オールドローズ好きの中ではモスローズ好きのマニアがたくさんいます。

 

Pompon Blanc Parfait
Blancはフランス語で白を意味するのですが、淡いピンクがかわいいアルバローズ(アルバも白ですね)です。オールドローズはフランス人育種家だったり、花の名前がフランス語だったりと、少々ややこしいのがたまにきず?かな(笑)

 

著者プロフィール

Hideharu Imai 今井秀治

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フリーのフォトグラファー。
旅行雑誌の取材で行ったイギリスで、ガーデニングの魅力にはまり、仕事も園芸雑誌が中心に。
「趣味はバラとクレマチス、クリスマスローズの収集。最近は小球根も加わって、庭は足の踏み場もない状態です。主婦の友社の『ガーデンローズカレンダー』は毎年好評でライフワークのようになっています」
https://www.facebook.com/hideharu.imai