花や庭の撮影に向く「光」の話

長野県小諸市「夢ハーベスト農場」
夕方6:30。西の山に沈みかけた夕陽の最後の光がガーデンに差し込んできたので撮影開始です。
太陽の位置は画面の右上の角の辺り。
半逆光なのでカメラを三脚にセットし、
レンズの右側に立って、レンズを自分の影にして左手でシャッターを切りました。

 

撮影に大事な2つのこと

今月はまたまた写真講座です。
今回は、早朝と夕方の「光」の話にしたいと思います。
最近はよく写真講座をさせていただきますが、そのときに僕が皆さんに言うことはいつも2つです。

1つは良いアングルです。
構図の悪い写真、例えば「撮りたい花が小さすぎてよくわからない」、「余計なものが写っていて花よりもそちらが目立っている」というような写真を、講座に来て下さった皆さんから見せてもらうことがあります。
カメラの四角いファインダーの中にちょうどよい大きさで真ん中付近に撮りたいものを入れるというのがよい構図の基本ですが、この話はいずれまたということで、今日は2つめの「光」の話です。

 

「きれいな光」を求めて

僕が撮影の時にいちばん大切にしていることは、「きれいな光」です。
花やお庭の撮影は晴れた日の早朝か夕方と決めていて、たとえどんなに良い花が咲いていても、曇った日に撮影に出かけることはまずありません。
早朝にきれいなお庭に伺って撮影準備をしていたら曇ってしまったので夕方にまた出直すとか、近くのホテルに一泊して翌朝また伺うということもしばしばあります。
僕の被写体は花とか庭ということが多いので、「きれいな光」は必然なのです。

 

きれいな光と天候の関係

ではきれいな、美しい光とはどんな光なのでしょう。
まず第一に「晴れた日の光」です。
晴れた日の光は色の再現、質感の描写がとてもきれいなので、僕のいちばん好きな光なのです。
ただし、日中の光線は強すぎるので、撮影は早朝か夕方ということになります。

次にきれいなのは「薄曇りの日の光」です。
色の再現や質感描写は晴れた日にはかないませんが、コントラストがちょうどよいので日中でも撮影できます。
「どん曇り」「雨の日」の光はコントラストが弱く、色再現、質感描写、ともに良くないので撮影には向きません。

6月ごろの梅雨の晴れ間の夕方には、あちこちのバラ園ではきれいな二番花が咲いていると思います。
雨上がりの夕方の美しい光で、かわいいバラの撮影というのも良いのではないでしょうか。

 


6月4日の栃木県那須高原「コピスガーデン」。
夕方の6:30に撮影した写真です。
バラも宿根草も奥の木々も、斜め後ろからの光で輝き出し、シャッターチャンス到来です。
太陽は左角の方角で高い木の影になっています。

 


ルドュテ
早朝のバラ園で、逆光ぎみの朝日に輝いています。

 


ロサ・ガリカ コンディトラム
朝9時。強い日ざしが照りつけ、コントラストが強すぎてきれいではない状態です。ただ、珍しいバラなので何とか撮りたいという場合、どうすればよいかというと……。

 


同じバラを、かぶっていた帽子で花だけ影にして撮ってみました。
この場合も傘をさして撮る人を見かけますが、全体を影にしてしまうとコントラストがなくなってしまうので、帽子のような小さいものを使う方が自然に見えます。

 

 

著書プロフィール

Hideharu Imai 今井秀治

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フリーのフォトグラファー。
旅行雑誌の取材で行ったイギリスで、ガーデニングの魅力にはまり、仕事も園芸雑誌が中心に。
「趣味はバラとクレマチス、クリスマスローズの収集。最近は小球根も加わって、庭は足の踏み場もない状態です。主婦の友社の『ガーデンローズカレンダー』は毎年好評でライフワークのようになっています」
https://www.facebook.com/hideharu.imai

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