イギリスで見る日本のサクラ

暖冬だったものの、ここのところ毎朝霜が降り、コートを離せない日々が続いているので、今年はサクラが長持ちしています。早春に、BBCの人気ガーデニングプレゼンターが日本を訪れた番組が二本立てで放映されたことも手伝って、例年に比べ、「サクラ = ジャパニーズチェリー」が注目されています。日本人には、「和」のイメージが強いですが、レンガの建物や小道にもよく似合うサクラ。写真左の白花は‘シロタエ’、右のピンク花は‘イチヨウ’。


クレマチス・モンタナと‘イチヨウ’。クレマチスとの組み合わせは何ともイギリスらしい。


大木になった‘シロタエ’。まるで日本のお花見のように、ベンチで紅茶をゆったりと飲んでいる人の姿をよく見かける。

日本の桜を救ったイギリス人

イギリス人と日本のサクラについて語ると、よく出てくる名前が「Cherry Ingram(チェリー・イングラム)」。元は、イギリス人鳥類学者で、本名は、Collingwood Ingram(コリングウッド・イングラム 1880-1981)、日本のサクラに完全に魅了され、たくさんの品種をイギリスに紹介した功績から、「チェリー・イングラム」と呼ばれるようになりました。当時の日本は、ソメイヨシノに席巻され、様々な素晴らしい品種が消えてしまうと懸念したイングラムは、多くの品種をイギリスに持ち帰りました。「日本の桜を救ったイギリス人」(阿部菜桜子著)という本には、彼の努力が綴られています。
写真は、大きな一重の花を咲かせる‘タイハク’。一時、日本では絶滅したと言われ、イギリスの庭園で見つかった品種です。

著者プロフィール

白井法子

白井法子さんケンブリッジ大学植物園での研修後、夫ともに再び渡英。
イギリス園芸関係のジャーナリスト、写真家などで構成される、ザ・ガーデン メディア ギルト正会員。『園芸ガイド』で「イギリス・ガーデニングレポート」を連載中。