温暖化の恵み

雪がほとんど降らず、本格的な霜も数えるほどしか降りなかった今年の冬。雨の多いイメージのイギリスですが、昨年の夏も5月から7月にかけての約2ヶ月間、雨が降らず、全体的に温暖な気候に変わりつつあります。そのおかげで、この冬から早春にかけて咲く花の芳香が例年以上だと言われ、RHS(英国王立園芸協会)も正式なコメントを出すほど。特に、暖かかった2月は記録史上に残る温度に達しただけではなく、「Most Fragrant February(最も香る2月)」だったと発表されています。ここのところ、突風が吹き、冬に逆もどりのような寒い日が続いていますが、暖かい日は、植物の香りが庭に充満し、ポリネーター(花粉媒介者)たちの活動も活発です。

香りを漂わせている植物


常緑のクレマチスの中でも、特に生育が良く、あま〜い香りの白花を咲かせる冬咲き種のクレマチス・アーマンディー。ツヤのある葉は厚めで丈夫、耐寒性はやや弱めですが、場所に合えば、フェンスなどにどんどん茂って、いい目隠しになります。

あまり目立たない小さな白花がびっくりするほどの甘い香りを漂わせるサルココッカ。イギリスでは、スウィートボックス、またはクリスマスボックスと言われ、ツゲ類に属します。


冬の定番、ロウバイとロニセラの‘ウィンタービューティー’。どちらも、今年の冬は香りが格別で、ガーデンセンターや植物ナーサリーなどでの売れ行きが例年以上とのこと。

著者プロフィール

白井法子

白井法子さんケンブリッジ大学植物園での研修後、夫ともに再び渡英。
イギリス園芸関係のジャーナリスト、写真家などで構成される、ザ・ガーデン メディア ギルト正会員。『園芸ガイド』で「イギリス・ガーデニングレポート」を連載中。