純粋さと希望の象徴とされるスノードロップの純白の花は、キリスト生誕から40日目に当たる2月2日(Candlemas Day=聖燭節、聖母マリアの清めの日)の辺りに咲くことから、当時、Candlemas Bells(キャンドルマス・ベルズ)と呼ばれていたそうです。それにちなんで、この時期、「スノードロップ・サービス(礼拝)」を行う教会があります。スノードロップが自生していたと言われる地域(イギリスのヘレフォードシャー・ビーコンの丘とウェールズのレクサム村)では、聖燭節の日、器にスノードロップをたくさん入れておくと、純白の花が家を清めてくれるという言い伝えがあるとか。
イギリスには星の数ほどの教会がありますが、チャーチヤード(教会に隣接する庭や付属の墓地)にスノードロップが植わっているのをよく見かけます。
アルツハイマーの治療剤としても
宗教的な理由も手伝って人気の高いスノードロップですが、球根から抽出した成分「ガランタミン」はアルツハイマー型認知症の症状の進行を抑制する働きがあり、治療に効くことが証明されています。スノードロップの学名はGalanthus(ガランサス)で、ヒガンバナ科ガランサス属に分類されます。
ウィンターアコナイトと一緒に
真っ白のカーペットも素敵ですが、同じ時期に咲くウィンターアコナイト(キイロセツブンソウ)との組み合わせは、より早春を感じさせます。ピンクのシクラメン・コウムを一緒に植栽すると華やかになります。
著者プロフィール
白井法子
ケンブリッジ大学植物園での研修後、夫ともに再び渡英。
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