寒い日が続き、雪もチラついたものの、本格的な雪はまだ降っておらず、やはり暖冬です。庭を歩くと、花のない季節だからこそ、目に留まる植物があります。その中で、毎年、好きだなと思うのが、Corylus avellana ‘Contorta’(コリラス アヴェラーナ ‘コントータ’)。イギリスでは、「らせん状の」という意味のある、コルクスクリューヘーゼルと呼ばれています。クネクネとした枝の先に付くカトキンと呼ばれる、猫のしっぽのような尾状花序も魅力のひとつ。フラワーアレンジをしている人の庭にはたいてい植わっています。
コルクスクリューヘーゼルの枝を使ったエントランスの装飾を見たことがあります。
常緑樹とのコンビネーション
冬に庭が寂しくならないように、常緑樹を植えるのは必須。Euonymus fortunei ‘Emerald Gaiety’(ツルマサキ ‘エメラルド ガイエティ’)は、冬になると白い斑入りの葉がピンクに色づき、ピンク花のViburnum x bodnantense(ビバーナム ボドナンテンス)との相性抜群です。
樹木の幹にも注目
冬の間、魅力を増すのは花だけではありません。チベットサクラと呼ばれるPrunus serrula(プルーナス セルーラ)は、ツヤツヤとした幹が太陽に輝き、また、樹皮が薄い紙のようにめくれ、思わず剥きたくなってしまいます。
花そのものより香り
うっとりするような香りの、透き通るような黄花を咲かせるChimonanthus praecox(ロウバイ)。花は地味ですが、香りは芳香性のあるバラにも負けないほど。日本では和のイメージが強いかも知れませんが、イギリスでは「ウィンタースウィート」と呼ばれ、中国からイギリスに紹介されたのは、1766年のこと。250年以上もの間、親しまれています。
著者プロフィール
白井法子
ケンブリッジ大学植物園での研修後、夫ともに再び渡英。
イギリス