Ikenobo Ikebana Exhibition〜池坊のいけばな展

冬の気配すら感じられるこの頃、庭ではだんだんと冬支度が始まっています。ガーデニング好きの人は、庭に出る時間が少なくなっても、庭から摘み取った花や実のついた枝で、キッチンやリビングを飾ります。今回、見学する機会に恵まれた池坊のいけばな展では、「Japanese Floral Art」という名にふさわしく、植物がまるで庭に植わっているかのように、器の中で「Landscape(景色)」を創り上げていました。庭では、宿根草を根元まで切り戻す季節。その一方で、花器に美しく生けられた、枯れかかったギボウシの葉やシュウメイギグの花びらが散った後の頭状花など、植物を違った角度から鑑賞できました。


作品の紹介: 立花正風体
イギリス中部でIkebana Lincolnshireを立ち上げ、また率いるRie Dayさん(写真の右端)の作品。まずは、池坊いけばなの3つのスタイル、立花(りっか)、生花(しょうか)、自由花(じゆうか)を説明してくださいました(立花と生花は、さらに、伝統的な正風体と、型にとらわれない新風体に分かれるそう)。「Hawthorn(サンザシ)の枝で山を見て、Iris(アイリス)で川を見て、Cathamus ‘Zanzibar’(ベニバナの種類)で里を見て…」とRieさん。素人の私の目にも山里の美しい景色が即座に映りました。

作品の紹介: 生花新風体
日本人メンバーの一人である、Natsuhi Ochi-Robinsonさんの作品。ご自身の庭で育てている黒法師の枝にグリーンのキク一輪、さらに刀型の葉をあしらったシンプルながら、インパクトのある生け込みで、目に留まりました。黒法師の魅力を最大に引き出す配置で、一部、紅葉した葉から季節感もにじみ出る。

ガーデニングでは見落としてしまいがちな植物のディテール。その微妙な色味や質感、植物の新たな一面に出会えたような気がしました。

著者プロフィール

白井法子

白井法子さんケンブリッジ大学植物園での研修後、夫ともに再び渡英。
イギリス園芸関係のジャーナリスト、写真家などで構成される、ザ・ガーデン メディア ギルト正会員。『園芸ガイド』で「イギリス・ガーデニングレポート」を連載中。

 

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