今月は、2日〜8日がハンプトンコートフラワーショウ、18日〜22日がタットンパークフラワーショウと、RHS(英国王立園芸協会)のフラワーショウが2つ続きます。ガーデンデザイナーやガーデナーだけではなく、フラワーアレンジメントを仕事にする人、趣味にする人にとっても忙しい季節です。
イギリス国内では、切り花関係のフラワーショウも各地で行われます。中でも、大聖堂を会場にしたフラワーフェスティバルは、その建物の厳かさと美しさも手伝って、見応え十分。フラワーデザイナーが庭から、どんな植物をアレンジメントに使うかを見るのは、また違った楽しみがあります。写真は、‘Autumn’(秋)と題した、乾燥させたホップの果穂やアマランサス(ヒモケイトウ)の白花を用いた高さのあるディスプレイ。
会場はイーリー大聖堂
ケンブリッジシャーの街、イーリーを見渡すようにそびえ立つ大聖堂。映画の撮影にも使われる、英国の屈指の大聖堂の一つです(代表作は「英国王のスピーチ」など)。この大聖堂は1083年に工事が始まり、完成はなんと268年後の1351年。2階には、ステンドグラス博物館もあり、観光の名所になっています。
今回のフラワーショウのテーマは「Kaleidoscope of Life (移り変わる人生)」。カラフルなディスプレイが大聖堂の中央にある「オクタゴン」と呼ばれる8角形の塔の真下に展示されました。
高さ26メートルの身廊の天井画、そして、壁面のノルマン様式の半円アーチは必見。
大聖堂に入ってすぐの洗礼盤には、白が基調の豪華なディスプレイ。バラ、ユリ、クレマチス、カーネーション、キク、シダなど。
庭から摘み取ったリーフとアルケミらモリスの小花だけを使ったグリーンのリース。ホスタの葉をリースにあしらうのは新鮮。
デージータイプの花を連ね、ネコヤナギの枝や金や銀にスプレーしたヤナギの枝を吊り下げた、モダンなアレンジメント。
著者プロフィール
白井法子
ケンブリッジ大学植物園での研修後、夫ともに再び渡英。
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