今回はちょっと園芸から離れて、クリスマスケーキの話題です。日本では、クリスマスケーキというと、白い生クリームと赤いイチゴのイメージですが、イギリスの伝統的なクリスマスケーキはドブランデーたっぷりのフルーツケーキ。
ケーキ作りのスタートは9月1日
毎年作っている友人に作り方を聞いてみました。彼女の家では、毎年9月1日にクリスマスケーキを焼きます。この日持ちがするクリスマスケーキは、48時間もブランデーにつけておいたドライフルーツがほぼ半分を占めるどっしりとしたリッチなケーキ。中身はレーズン(赤ブドウが原料)、サルタナ(白ブドウが原料)、そして、チェリーやアーモンド、香りづけには、シナモンやナツメグの入ったミックススパイスを使い、長時間オーブンで焼きます。写真は年季の入ったレシピ。
毎月ブランデーをかけるのがコツ
焼きあがったら、陽のあたらない涼しい場所に置いて、じっくり熟成させますが、クリスマスまでの毎月初め、つまり10月1日、11月1日、12月1日にブランデーをかけて寝かせます。中まで浸透させるために、ロートを使うこともあるそう。こうして、3ヶ月以上もかけて作るケーキ、その期間中にもクリスマスへの特別な思いが込められるのでしょう。雪のようなホワイトマジパン(砂糖とアーモンド粉をシロップでこねたもの)でくるみ、クリスマスデコレーションをするのが一般的です。
著者プロフィール
白井法子
ケンブリッジ大学植物園での研修後、夫ともに再び渡英。
イギリス