イギリス流の日本庭園

イギリスにあるいくつかの日本庭園の中でも、チェシャー州にあるTatton Park(タットンパーク)はよく知られています。1910年にロンドンのホワイトシティーで行われた日英博覧会をタットン氏が訪れた際、展示されていた日本庭園に感動し、日本から職人を呼んで作らせたそう。確かに完成度は高いのですが、ブロンズ製のツルのオーナメントが置かれたりと、月日が経つうちに‘西洋っぽさ’が加わってくるようです。

Momotaro Garden

 


先日出会ったのは、Momotaro Gardenという名前の付いた日本「風」庭園。そこには桃太郎はイギリスで言うところのロビン・フッド=悪者を倒す英雄として説明されていました。桃太郎がどんぶらこと川に流れてきて、犬、猿、雉の仲間と一緒に鬼ヶ島に鬼を退治に行くというストーリーがこの庭に表現されているとのこと。

桃太郎ガーデンの植栽

 

 

オーナメンタルグラスの一種であるスティパ・テヌイッシマを石の間から覗かせたり、松の木の下にヒマラヤユキノシタを一面ぎっしりと敷き詰めたりと、見る人にもよりますが、どこかイギリス風のスタイルです。

鬼退治に行くシーン


それぞれのエリアについて、想像を巡らして鑑賞しました。手前の石組は波を表し、中央の3体の岩は犬、猿、雉?先頭は桃太郎?周りの小さい丸石はきびだんご??日本の童話までもが日本庭園のインスピレーションになるのだなと改めて、庭の表現の自由さと可能性の一面を見た気がしました。

著者プロフィール

白井法子

白井法子さんケンブリッジ大学植物園での研修後、夫ともに再び渡英。
イギリス園芸関係のジャーナリスト、写真家などで構成される、ザ・ガーデン メディア ギルト正会員。

『園芸ガイド』で「イギリス・ガーデニングレポート」を連載中。

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